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 2017年10月28日、銀翼会の展示会に行く前に、門司港へと足を延ばした。
 小倉駅から少し走ると線路はふたつに分かれ、ひとつは関門トンネルへ、ひとつは終着駅・門司港へ。

 構内に巨大な車輪が展示してあった。すごい存在感。8620型上記機関車の車輪だそうです。いきなり圧倒される。

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 門司港駅は大変古い駅舎で有名で、現在は修復工事を行っている。

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 駅構内の洗面所やトイレが、大正時代からのものでなんともいえぬレトロな趣。トイレなどは現在もそのまま使っている。

 この水道は「帰り水」というそうだ。
 復員や引き揚げした人たちが門司港に上陸してはじめて口にした水・・・やがて「帰り水」と言われるようになった、と説明板に書いてあった。
 復員兵や引揚者でごったがえす門司港の情景、誰か作りませんか。

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 いよいよ、九州鉄道記念館に到着・・・って門司港駅の目と鼻の先だけど。
 本日は、地元の飛行機モデラー・零観さん(56歳)に案内してもらった。子供の頃SLの線路にバケツを置いて叱られたとかいうわけのわからんイタズラしてた年代の人だ(汗 SLが急停車してこっぴどく叱られたとか・・・

 入口、写真右側が料金所なんだけど、昔国鉄で車掌してたような格好いい爺ぃなんかが切符切ってくれると雰囲気出るのになあ。

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 で、私たちを出迎えてくれる蒸気機関車。キュウロクこと9600型機関車。

 あれっ、豊後森の機関庫においてあるやつと同じだ。この機関車に縁があるなあ。そう思いながら案内板を見ると・・・

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 ごくろうさんよ。(車体番号 59634)

 おお~!! 昔の人もそういう語呂合わせで呼んでいたのか。
 いいナンバーだね。なんか、いきなり胸が熱くなったりする。

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 逞しい足回り。いやーホレます。

 大きくて黒くて強くて・・・

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 私の身長は155センチくらいだから小さいんだけど、それにしても車輪が大きい(こちらはC59の足回り)。

 油でギトギトの車輪。鉄だから油いっぱいつけてないとサビてしまうんだろうね。
 私考えたんだけど蒸気機関車ってたぶん蒸気の力でピストン動かして車輪を回してるんでしょ。
 てことは、飛行機やクルマの場合はガソリンを爆発させているけど、蒸気機関車は何も爆発してないんだよね、石炭と水だけなんだよね。それだけでこんな大きなモノが動くなんて信じられないよ。

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 これは豊後森と(肥後)小国の間を走ってた汽車。え? そんな路線あった? 知らなかった。宮原線っていうんだね。

 列車にはキハとか書いてあるけど、キは気動車のキなんだってね。最近知りました。「ゆふ」にも書いてあるなあといつも思ってた。

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 ステキな客車でしょ? なんともいえずいい色合い。
 展示会レポートのいちばん最初で私が乗車していたのがこれですよ。
 キハ0741、宮原線で走ってたんだけど、昭和44年に引退したそうです。知らなかった。

 私、昭和37年生まれですが、37~39年北九州市、39~45神戸市、45年~48年仙台市というように、生まれてからほぼ九州以外に住んでたので、オホホ。九州のことはあんまり存じませんのことよ。
 ただ、帰省や転勤のたびに乗る列車や船などの乗り物には子供心に強い印象があり、それがなんとなく今の自分につながってる気がする。

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 同車両の運転席。シンプルだなあ。コクピットっていってもこれだけ?

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 お次は・・・おっ、にちりん!!(日豊本線、小倉~宮崎間を運行)
 これはたぶん乗ったことあるよ。でも先頭車両こんなかっこいい形のあったかなあ←ウロ覚え

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 わっ、懐かしい車内。

 この座席・・・じっと見ているとなんだか気持ちが20代の頃の自分に戻っていく。あ、ヤバイ私・・・なんとなく気分が落ち着かなくなってきた・・・

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 そして、次は、ああっ、なんと富士!!

 東京行くには富士で行ってたよ。寝台列車好きだった。
 これでかえってきて、そのまま仕事に行ったこともある(東京から朝帰りっす

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 嗚呼、B寝台。

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 そうそう。これだった。見ただけで胸がいっぱいになる。

 零観さんは寝台車に乗ったことがないという。
 零観「ええっ、まさかここに他人同士が寝るんですか」
 きらら「そうですよ、まあカーテンはありますが」
 零観「オッサンのいびきで寝られないとか」
 きらら「いびきというより、列車のガタンガタンって音がすごくて、今思うとよくこんな中で熟睡できたなあと」
 零観「にしても、隣に女性が乗ってたりするわけですよね!?」
 きらら「そうですよ、カーテンの陰で着替えしてたりして、ウフフ♪」
 零観「おおっ・・・・(妄想中)」

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 この情景見たとき、ちょっと心の中が怪しい感じになってきた。胸がいっぱい。そう、こんな通路だった。右側がベッドで。

 左側の窓の下あたりに折り畳み式の椅子があって、それに腰かけて外を眺めたりしたっけ。
 いっぺんに20代の頃の自分にタイムスリップする・・・しかしそれはもう、動かない車両であるという事実に胸が締め付けられる。あの日々はどこにいったのだろう。
 なんていうか、沈んだタイタニック号の中に迷い込んだらこんな感じなのだろうか。

 もしあなたの懐かしい電車や汽車があればぜひ(ここに限らないけど)鉄道博物館においでになることをおすすめします。できたら一人で。涙が出ますから。

 隣には資料館があり、お土産なども買うことができます。
 ただし鉄道関係の本があるかと期待してきたんだけど、ぜんぜん売ってなくてがっくり。いかに本が売れないかということなんだろうな。福岡空港にも本屋ってないよね。そう思うとインターネットって本屋の敵か。
 この「富士」の中を本屋にして、ここで本が読めたらなあ。とか思う。

 動かなくてもね、たまにこの隣の引き込み線に現役の「有明」とかが入ってくるんだよ。いい所だよここは。落ち着くね。