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 前面のカウル、この複雑なカタチにどうやってストッキングを密着させればいいかわからず、とにかく細かく面ごとに何度も分けて吹いたんだけど、結局(うまく密着していなくて)真っ黒になってしまった部分も多く、ところどころだけカーボン風になってしまった。ま、目の錯覚でこう見えるってことにさせてください。

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 先日お見せした、「雨どい」みたいなパーツは、こんなふうに接着する。空気を取り込んでスーパーチャージャー(赤い部品)に送るのがよくわかるね~。もちろんタミヤ様ですから、こういうところの合いはバッチリ。まるで魔法のよう。

 こういう状態でも綺麗だから、バイク模型作るのって楽しいね!! 作業台に置いてるだけでうれしくなる。

 が、久々に部品を取り付けようとしたら、ビスが一個無くなっていた。嗚呼。ひと夏の紛失。

本6

 「きかんしゃ やえもん」(阿川弘之著 岡部冬彦絵/岩波書店)

 模型を作っていたら、ふと、「ちゃんちゃん かたかた けっとん」というくだりが思い浮かび、「“きかんしゃやえもん”だっけ」と押し入れの中を探すけど、なぜか見つからず・・・どうしても読みたくてたまらなくなって買ってきた。

 この本、なんと阿川弘之先生の本でした!! 今日気がついた←おい!! 
 読んだことのある方も多いでしょう。第一刷は1959年。私も子供の頃読んだことがあるような気がする。

 子供向けの本なのに、やえもんって年寄り(古い機関車)なんです。まずここがすごい。さすが阿川先生。やえもんは老いぼれで、いつも怒ってる。若い電車たちにはバカにされ・・・。なんだか身につまされるね。若い頃にはわからなかった、この味わい。

 どんな最先端のメカだって、いつかは古くなっていき、新しいメカにその座を譲る。その生涯は人間のそれにも似て、とても切ない。ひそかに人間の生活を支えて黙って頑張ってきた機械たち・・・。

 私は比較的小さい頃から乗り物に興味を持っていたほうだと思うけれど、乗り物と人間を重ね合わせて親しみを感じる、というところまではいかなかった。そういう感情を持つようになったのは模型を作るようになってから。

 四年前神戸で、復元された飛燕とH2Rを並べて展示したのを私も見学に行ったけど、そのとき父と息子という二人連れが何組か見かけられた。父に連れられた幼い息子は、飛行機とバイクを見てどんな話をしたのだろう。何を感じただろう。古い機械と新しい機械。まるで父と息子のように。