駐機していた彗星の後ろから西日が当たっていたはずである。ということで、そういう感じに塗装していってるつもり。
ああー、やっぱキャノピーが完璧にズレてる。こうやって写真に撮って何度も見るのもいやになるな。
私の持っている「私兵特攻」(松下竜一著/新潮社)によると、昭和20年8月15日の午後四時過ぎ(実際は五時近かった)、その時刻に大分海軍航空基地を離陸した11機の彗星がどの方向に向かって離陸したかが書いてある。
当時、不発弾の場所を示す赤旗だらけの飛行場の赤旗を避けるようにして、北西に向かった直線約1000メートルが辛うじて離陸可能な滑走路であったという。
ということは、ほとんど前方から西日が当たってることになる・・・・って、ああっ、逆方向から当たってるような塗装にしてしまってた。あーもう、どっちが前か後ろかいつも間違える←おい!!
いかんいかん、後ろからじゃなくて前から西日が当たってたんだよね。やれやれ。
海軍機はいわゆる「青々とした濃緑色」なんだろうけれど、私は色褪せたグリーンじゃないといやなんです。
この大きさに凝縮したとき、たんにベタッと濃緑色に塗装するだけじゃ面白くない。もっとたくさんのいろいろな色を重ねていきたい。
「八百キロ爆弾の重量だけでもこの穴だらけの滑走路で揚がるだろうかという不安があって、二村は三人乗りの一番機が砂塵を巻き上げて滑走路を疾走して行く様を、眼を凝らして見守った。フワッと別府湾をかすめるようにして一番機が浮揚した・・・」(同書より)
ところで、「帽振れ」ってありますよね、あれは黙って振っていたって知ってました?
海軍では、黙って見送るというしきたりだったそうです(「遥かなる宇佐海軍航空隊」(今戸公徳著/光人社NF文庫)より)
戦場写真集などで写真はよく見るけれど、沈黙のうちに帽子を振っていたのか、エンジンの音だけがごうごうと聞こえていたのかと思うと、また何とも言えない気分になる。