三年に一度の飛行機大展示会・UAMC徳島から早一週間が過ぎましたけれど、なかなかレポートが終わりません。
今日を入れてあと二回かなあ。いい作品がたくさんあるので、最後までおつきあいください。
シリウスの河本さん作品。モノグラム1/77 フォードトライモーター。
リチャード・E・バードという人が、この機体(フロイドベネット号)で1929年、南極点横断飛行に成功したそうです。飛行機には、こういう「記録を持っている機体」が数多くあるよね。初めて飛んだとか、冒険をしたとか、世界最速記録を作ったとか。
それでソリを装着してるんだ、あっ、南極だから犬ぞりがいるんだな。
写真を撮っていると、夢見る永遠の少年共がちょうど背景に写り込んで、いい感じ。実にシブい。
シリウスの藤岡さんの展示。素敵ですよね。多発機をいろいろ作ってますが、マイテーマは何だったのか私の知識ではわからないです、すみません。
飛行機モデラーって飛行機の歴史にも精通した方が多いんですよね。
大人の模型が続きます。
WINDSの和田さん作品。スペシャルホビー1/32 ブリストルMIC
いつも気さくに声をかけてくれる和田さんは心のオアシスです。珍しい「フィンランドの航空博物館で売ってる冊子」を頂きました。最近フィン空ものを作っていないけれど、そのうち必ず作るぞと心に誓う。
張り線は、0.3ミリの真鍮線をペーパーで平にしたそうです。真鍮線ってペーパーで平にできるんですね。
右側の動翼がツギハギになっていて、粋ですねぇ。
江戸っ子が、わざと着物の袖を違う布でツギハギにしてみたりしたのを連想させる。もちろん戦場で応急措置として修理したということなんでしょうけど、それがアクセントになっています。
綺麗な作風の中で、何かこういう部分があると動きが出て面白いです。
Mic'sの吉本さん作品。レベル1/32 F-14B
アイリスのレジンパーツを使って、A型をB型に改造しているそうです。
この方の作品群は、独特の汚しで目を引いてました。私としてはイントルーダーも好きだったんですが、「俺のモノを見ろ!!」とエンジンが剥き出しで置いてある刺激的なこちらの写真をどうぞ。
最近改めて、やはり飛行機は綺麗に塗装してあるのがいいなあと思うけれど、こういう思い切ったウェザリングも捨てがたい。
一歩間違うと汚いだけになるから非常に難しい塗装だと思う。実機の研究とともに、結果的に実機“らしく”感じられること、作品としてまとめることも必要。
そして最終的に「カッチョよく」見えないといけない!!
問題はそこですよ。格好いいかどうか。格好よければ、すべて良し。
横浜サンダウナーズフェニックスさん作品。ハセガワ1/48 F-4J バンディ
「プレイボーイ誌」のうさぎマークなので、プレイメイトなのかな? 楽しい展示方法。
それに、ファントムじゃないの? バンディって何だろう?
同じ方の作品。ハセガワ1/48 F-4Nバイセン
J型の主翼を削り倒してN型にした・・・と書いてありますが、よくわかりません(汗 これもファントムじゃないの? バイセンってなんだろう!? 飛行機の名前って難しいなあ。
よくみなさん言うけれど、この機首のカタチがハセガワのはマッチョでいい(人によっては「おっぱい」)らしい。
私もF-4のキットをもらったので、もしかしてそのうち作るかもしれないということで、フェニックスさんのF-4作品をいろいろ観察させてもらった。
前縁スラットが不思議な角度で動いているね。うーん、ファントムってほんと格好いいカタチしてる。やっぱNAVYがいいなあ。
明石模型クラブの小市さん作品、「大艇再び還らず」
有名な松本零士「戦場ロマンシリーズ」ですよね? 下に沈んでるのはB-17? すごいシーンですね。
明石模型クラブの方々とも隣合わせになって楽しかったです。初日、到着してすぐ自分の作品を並べながら、144の富嶽とB29を並べている隣の人(小市さん)を見てホッとした。優しそうな人でよかった~と(クラス替えを思い出すなあ)。
今回は南北東西、いろいろな地域の人をわざとランダムに配置されたということで、みなさん思いもかけない出会いがあったのではないでしょうか。
えーっと、「ラブ・ライナーズ」の本橋さん作品。1/144 ドイツレベル スターシップですよね?
宇宙に行く飛行機、ですよね?
スゲー。だけど結構飛行機らしいカタチでもあり、本当にこんなんで宇宙に行けるのか!? という気もする。
次の時代は「私こないだ宇宙に行ってきました」という人が増えているのだろうなあ。
想像もつかないけど。
同じクラブの和田拓さん作品。そう、スケビの「夢見る翼」などでおなじみの和田さんです。
ファインモールド 1/200のMRJ。というわけでファインモールドの鈴木社長がいらしてました。去年の土佐以来、ゆっくりお話しできてよかった(静岡ホビーショー会場はゆっくり話ができないので)
「ハセガワじゃなくてファインモールドがMRJ作ったので悔しかったです」と言いますと
「そりゃー、静岡のメーカーなんかに作らせるわけにはいきませんよ!! ウチが作らなくちゃ~!!」いきなり叫ぶ鈴木社長。
「それにね」と少し声を落として
「これ実は『三菱重工のキット』なんだよね」
何と言ってもYS-11以来の国産旅客機、もちろん企業秘密、明日の航空産業を担う大切な機体でしょうから、パネルラインひとつ違ってたりしたら日本経済全体を揺るがす大問題となるのでしょう。
ちと悔しそうな様子でもありましたが、昔の軍用機をキット化するのとはわけが違うんですねぇ。
でも宣伝になると思うんだけど、三菱重工はうれしくないのかなあ。まぁせいぜい売れても1万個程度の商品なんかなんとも思ってないって? そうなのだとしたら悲しい。
同じ方の作品。ハセガワ1/200 DC-3 全日本空輸。
小さい旅客機、それもやはりプロペラがついているのがノスタルジックで琴線に触れます。そしてこのふっくらした胴体に癒される。
DC-3大好き。作りたいなー。
広島乱流会のけんさん作品。アーリーキャット1/32 飛燕II型。
あれっ、飛燕の水滴型風防てあったっけ(汗 何となく飛燕ってファストバックだけかと思ってた。
突出型も綺麗でいいですね。やはり男なら、なんでも突出させないとね。
ただ、主翼の機銃は引っ込んでますね。私の�U型丙は突き出してるけど。それにピトー管の位置もなんか違うなあ。
同じく乱流会の方の作品。お名前を覚えられなくてすみません。32のホーネット。作品カードがなかったような気がするのです。
AFVぽい塗装が、ピカピかの飛行機の中で逆に目立ちます。
いい雰囲気だなあと思いました。やはり油絵具等でウォッシングしているようです。
月並みな表現だけれど、絵画のような塗装の仕方といいますか。
同じく乱流会のF/A-14さんの作品(部分ですみません) メーカーわからないけど、32のホーネット。
しかし、じっくり見ていると、「いわゆる飛行機モデラーの作品」と思ってたF/A-14さんの塗装は、やはり実機ぽいんですよね。雑誌なんかで見る実機の塗装。あの雰囲気です。
上記のAFVぽい塗装が「どこかにありそうな、なさそうな、いい雰囲気の塗装」だとしたら、こちらは「実機を観察して再現した塗装」
たぶんレジン!?などを惜しげもなくつぎ込んだコクピット!!
人形は面倒くさくて塗装しない私ですが、こうやって丁寧に人形も塗装してるのを見ると「やはりいいなあ」とも思います。
会場風景(未完成チームのGENさん撮影)。
横浜サンダウナーズのかみたにさん、私を熱いまなざしでじっと見つめながら
「モノグラム(AH-1S)作ってみて、どうでした!?」
・・・ほかに聞くことないんですかい!? わざわざ横浜からやってきて、そこですかい!?
とは思いましたが、単刀直入なんだよね、そこが男の人たちのいいところ。イキナリ核心を突く。
「コクピットをそのままストレートに組んで色をちょっと塗っただけで、すごく格好いいんですよ、びっくりしました」
「うんうん、でしょうでしょう」
満足そうにうなずくと、そのままどこへともなく去っていったのだった。(終) ・・・・って、もう終わりかよ!!(汗
冗談はともかく、かみたにさんの素晴らしいサンダーバーズ作品は、二日目の午後かみたにさんがさっさと帰ってしまい、ぜんぜん撮影できなかったのである(涙
続きまして、乱流会の堀田さん作品 ハセガワ1/48 F-15DJ アグレッサー2009。
胴体と主翼、機首の継ぎ目に苦労したそうです。でも綺麗な塗装だなあ。
アグレッサーって悪役ということですが、面白い塗装でぱっと目をひきます、魅力的だよね。女って悪い男に惹かれるの(意味不明
同じく乱流会の西村さん作品。スペシャルホビー1/32 F-80シューティグスター
製作は大変だったようですが・・・この方の塗装は好きです。
それと機首の面白いノーズアートも洒落てます。機体のカタチにシャークマウスがあまりにもピッタリですよね。
会場風景その2。
GENさん「きららさ~ん、こっち向いてぇ~」
私「はぁ~い」
GENさんだけですよ、写真撮ってくれるのは。いつもありがとうございます。
周りのモデラー共が誰一人私のほうを見ていないのがすごい。
この情熱が日本のプラモデル業界を支えているのだ。
展示会を見て、「モチベーションあがったぁ~」と言ってる人がたくさんいた。さあガソリン満タンにして帰ったモデラー共は、今頃なにを作っているのだろう・・・・。明日に続く。