セケツ

 「世界の傑作機F-105」は絶版になっているので、仕方なく通販で入手。ネットでも写真は拾えるけど、やはり活字のほうが書いてあることの信ぴょう性が高いと思う。

 リパブリック? サンダーボルト作った会社やん!! あ、だからサンダーってついてるのかぁ。たぶん。

 細部写真などもあり拾い読みしながら見ていたら、なんか変な匂いがする。いったいどこから・・・まさか、この本から変な匂いがするのかねぇと思ってくんくん嗅いでみたら、やはりそうだった。忘れもしない、軽音楽部の部室の匂い・・・長年沁みついたタバコのにおい。ずっと嗅いでたら気持ち悪くなったので、本を閉じた。参ったなこりゃ。

 誰かも言ってたけど、匂いってすごく記憶と直結してるよね。歩いていてどこからか漂う香りに、昔のことを思い出したりして。歳を重ねると思い出の量が増えるので、思い出す頻度もハンパない。そして、決して後戻りはできないってことに打ちのめされる回数もハンパない。

湖の男

 「湖の男」(創元推理文庫/アーナルデュル・インドリダソン著)

 待ちに待った文庫が出たので早速買ってきて読んだ。全部読むのがもったいないくらい・・・このアイスランドの作家の本を読むのは四冊目だけど、どれもすべて面白い。謎解きの複雑さを楽しむのではなく、物語を楽しむミステリ。はやくまた次の作品を読みたいなあ。

 今回は話の中に大学生活が出てくるので、ふっと自分の大学生活に記憶が戻っていった。一人暮らしを始めて間もない頃セールスにまんまと言いくるめられて、某宗教団体の新聞を取らされたことがあったっけ。先輩と一緒にクーリングオフに行ったけど、すごく怖かった。
 若い頃って免疫がないから、新しい思想、新しい集まりなどに簡単に引き寄せられて行く。こんな世の中間違ってる!!とかすぐに思っちゃうんだよね。いいほうに向かう場合もあるけど、相手が悪質な場合、取り返しのつかないことになっていく。

 先日読んだ別の本に「もしあのときこうなったら、その後どうなっていたか」ということをリアルに考えられる人が小説家なのだと書いてあったけど、まさにこの作家なども、そういうことをいくらでも考えられる人なんだろうなあという気がする。

 「なぜ、あのときあなたはそうしたのですか(そうしなかったのですか)」という問いかけが人を苦しめる。誰でも取り返しのつかない過去をひとつやふたつは持っている。読んだあとに残っているのは物語の中の苦しさなのか、それとも自分の記憶の中の苦しさなのか・・・。
 でもその少し切ない思い出とともに生きることも、人生の味わいなのかも。だからか読後感はけっして重くありません。