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 日田HICの花村さん作品。ハセガワ1/48 零戦62型 “芙蓉部隊”

 剥がれ具合が繊細ですごく好きな作品。絶妙な剥がれ具合だと思う。
 まだ20代のモデラーで、無限の可能性を感じる。もともとAFVを作っていたから、塗装の幅があるのだと思う。
 で、ハセガワですよ。しかも芙蓉部隊ですよ。シブいですよ。若い人がこういうの作ってくれると、本当にうれしいねえ。こっちも頑張らないといけない。負けてられん。

 渡辺洋二著「彗星夜襲隊」 に出てきましたね。美濃部少佐は当時、特攻をせずに生き残る戦法をとった異色の「芙蓉部隊」を率いた軍人で、花村さんは「上官に真っ向から意見した」というところに男気というか、魅力を感じるようだけど、そりゃそうだよねえ。今の時代、そんなオッサンが一人でもいれば・・・若い人は、そういう人についていくだろうな。でも、いるか?そんなオッサン・・・いつの時代、どこにいても、己の生き方を貫く勇気を持つ人がどれだけいるか。あーもう、わしゃ無理じゃわ、うち帰って豆腐のカドに頭ぶつけて寝ます。

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 大分我流会/大分航空隊 あおまきさん作品。ウイングナットウイングス 1/32 ソッピース・スナイプ後期型

 イギリス機だけど、ロシアで使われた機体だそうで、なんと印象的な黒い星。カッチョええ。あちこち未完成と書いてあったので、まだパーツがつくのかもしれない。
 しかし、いきなりこの張り線をさっさと作ってしまったとは恐れ入り。それと、羽布張りの表現がすごく繊細できれい。リブの部分が薄い色になってるのは、マスキングしたそうです。

 あえてこの角度でご紹介したけど、実は来年の「オタ空」でもまた拝見するので、そのときご紹介します。

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 大分航空隊 こっそり工房さん作品、ハセガワ 1/32鍾馗。

 いつぞやスケビについてたエッチングを利用してコックピットの中はデテールアップしてます。
 銀色をいろいろトーンを変えて塗装されてて、それがすごく効果的。マーキング類はマスキング塗装で表現されてるんだけど、エナメルを吹いたそうです(それ以外はラッカー)

 案外エナメルを吹くっていう発想はないよね。なんかめっちゃ臭そうな気がする。ご本人はラッカーのほうが臭いと言ってたけど。好みの問題か。ま、世の中には風呂に入らずにエッチする人もいるしね(意味不明
 それにしても、やはり鍾馗いいねぇ~。

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 ひこうき雲 絵富代さん作品。1/144 HS-748 

 初バキューム、初旅客機、初手塗り、だそうです。
 手塗りって、筆塗りってことかな? 足塗りってのはないだろうし・・・汗
 HS-748は好きな飛行機のひとつです、と言われ「ふーん」と相槌うっておいたけど、HS-748って何ですかね?有名なのかな・・・YS-11を太らせた感じかな? 

 確かに絵富代さんの好みとは思えない飛行機だけど、やはり旅客機も好きなんですね。飛行機好きな人って決して軍用機だけが好きではないんだよね。そこいくと、私みたいにほぼ戦闘用の飛行機しか好きじゃない人って、飛行機モデラーとしてはまだまだ・・・ですな。

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 長崎プラモクレージーの萩尾さん作品。P-3C ソリッドモデル 1/50?

 顔見た瞬間「まだ生きてたんですね」と言いそうになるのを必死にこらえながら、しょーもないギャグで笑わしてもらう。そういえば福岡の市岡御大もオヤジギャグの宝庫だし、この笑いのセンスが元気で長生きの秘訣かも。

 胴体は、塗装してからナイフで「すーっ」とケガいている。木の部分まで削らないように塗装面のみ。だから本当に飛行機らしいんです。プラの筋彫りだとどうしても深くなってしまうものね。

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 同じく長崎の河野さん作品、エアロドローム。

 これは米国の物理学者、サミュエル・ラングリーが設計、エンジンはチャールズ・マンリーの星形5気筒水冷式マンリー52馬力(世界初の航空機用エンジン)を搭載した飛行機で、あのライト兄弟の初飛行の9日前に飛行を試みるも、失敗(カタパルトの不備)・・・のちに1914年に復元されて見事飛行したという。(「日本ヒコーキ総集1」より)
 ライト兄弟だけじゃないよ!! この世にはすごい先駆者がいるんだよ!!

 河野さんは来られてなかったけど、やはり生きてたんですね・・・どころか、こんな複雑な作品をスクラッチされてたとは!! 恐るべし!! いやはや、模型飛行機作ってると若返るってことなのかな。勇気が出ますね。

会場風景2

 会場風景その2。オッサン共に囲まれる私(毛利さん撮影)