つれづれプラモ製作記

マイペースで作っているプラモデルのブログです

2013年07月

 近年まれにみるひどさ、ですな・・・

 今朝の八時、まるで申し合わせたようにセミが鳴き始めた。セミは夏が来たことを知っているのだろうか・・・。

 ものすごくやかましい声で鳴いてるけど、一週間以内に素敵なメスを呼び寄せて交尾して子孫を残さなくちゃいけない。
 かなりのプレッシャーのはず。相当に必死なんだろうね。
 モデラーも、締切があると頑張れるという人がいるけど、セミみたいで格好いいかも。

 などと、話をセミのほうにそらせたりしたけど、このひどさは変わらない。
 作業部屋は34度。椅子に座るとなんだか座面が妙に暖かい(気持ち悪~)
 ブラシを吹くとどんどん汗が胸の谷間を流れていく。

 ああっ、もうどうしてこんなに合いが悪いのっ。何もかもファインモールドのせいにしちゃう。
 何度接着し直してもうまくいかないってことは、つまり・・・キャノピーの幅が小さいようです。
 これ修正するの、面倒くさいなあ。

 上がハセガワ、下がファインモールド。

 ハセガワのスジ彫りを見たあとファインモールドのを見ると、間が抜けて見える。
 でも、まぁ、好みの問題なんでしょうけど。

 あと、正しいかどうかって問題はあるけど、私はよくわからない。

 昨日はヘンテコなことを書いたので、全国から抗議のメールが来るかと思ったけど来なくてほっとしている。
 青畳色と飴色って違う色だろ!! とか、零戦に対する冒涜だ!! とか。
 ごめんなさいね、私はどういう色だったかよくわからないので、文学的表現だということにしてみたんです。

 単に自己流で塗装しています。

 零戦のあの灰色のことは飴色とも言うけれど、青畳の色と聞いたこともある。

 今回は、姉・ハセガワ22型は全身飴色の岩国海軍基地所属機、妹・ファインモールド22型は飴色の上に現地でいい加減に塗装したようなラバウルの西沢広義乗機にしようと思っている。

 クレオスの明灰白色(めいはいはくしょく、と読むのだろうか)に、黄色とほんの少し茶色も混ぜたりした妖しい飴色を作って塗装してみた。
 左側はその色で塗装したところ、右側のファインモールドはまだ塗装していないプラの色。つまりファインのプラの成型色は飴色をイメージしているのだろう。

 浅学にして、当時の海軍で本当に青畳の色と言われたかどうか知らないが、しかし青畳とは日本人らしい表現だなあと、この色を見ていて思った。 畳が新しいときの色。まさに青っぽいグレーがかった色なんです。ただ、畳はすぐに色が変わってくるので、青畳の色というのはほんのわずかの間しか見られない。あ、現在でも柔道の試合のときに使われている畳(化学繊維かもしれない)の色がそうですね。

 さらに、零戦の枠だらけのキャノピー見て何か連想しませんか?
 つきすぎている(ベタ、という意味)表現だけれど、やはりあれは障子の桟でしょう。

 「陰翳礼讃」(谷崎潤一郎著/中公文庫)

 「・・・そしてあの零戦のそばに立ってみるとわかるのだが、それはひとつの空飛ぶ機械というよりはカラクリ仕掛けの精巧な一品物の工芸品であるという、不思議な感覚に囚われるのを感じる。日本人ならば、どこからか白い手が出てきてあの風防を音もなく開き、複雑な第一風防の多面体を通じて色あせたような夕暮れの日差しが、操縦席にひそやかな影を落としていることを容易に想像できるだろう・・・」(「偽・陰翳礼讃」より)

 こんな感じでしょうか?
 零戦にメカという言葉は似合わない、こうなったらすべてを日本語で言い表してみたいですね。
 エンジンではなく発動機、リベットではなく枕頭鋲。

 そして美人姉妹・・・ああーっ、「細雪」ですか? 読んだことないけど←だめじゃん
 実は、「陰翳礼讃」も今年になって読んだんです(恥)。すごーく面白かった。必見です。

 ひとつ驚いたのは「色気」という言葉。谷崎に言わせると、「隠しても隠しきれずにたまにチラっと見えてしまう、何ともいえないこまやかな言葉づかいやしぐさ・・・の色っぽさ」
 カウルフラップの間からエンジンがチラ見えするような感じ?

 ああやっぱり、飛行機モデラーは日本人なんだなと思いますね。

 一昨日でしたっけ、雨が降ってても構わないやと思って下面を塗装したら、部分的に変に白っぽくなってしまい、これがカブるという現象か。
 カブるなんて、語感からして嫌な感じ。被り物は好きだけどさ。

 塗装は雨が止んでからということにして、もう少し美人姉妹の姉のほうを綺麗にしてあげることにしました。
 姉はずいぶん苦労してるらしく、主翼などにバリが結構ついているのが泣ける。

 補助翼のタブが、きれいだなぁと思って見ていたら、あれっファインモールドにはこんなタブねぇぞ!! えーっ、これもしかして32型だけ? インスト見るとやっぱりそうでした。「切り取ってください」と書いてある。
 でも気が付いてよかった。

 見てると、やっぱりフィレットと主翼の間の隙間が気になってきた。確か52型もここを埋めた気がする。プラペーパーで埋めよう(実はプラペーパーは一生使いきれないくらい持っている)
 補助翼端のシャープな感じはファインモールドが勝ってる感じね。

 ここのタブも切り取って、こんなパーツをはめたんですが、汚い工作だね。あーあ。

 注意深く切り取ったつもりなんだけど・・・

 空気取り入れ口、いやエンジンの熱を逃がすのかな、なんだっけこの穴は。

 ともかく、おきまりの工作なのに姉妹どちらも忘れていて、組み立ててから慌てて穴を開けた(汗
 何? 穴のあけ方が下手? 汚すぎる? だって女の子なんだもん、こんなの苦手だよ(謎 

 それにしても、結構やることいっぱいあるなあ。
 綺麗に組み立てようと思ったら、やはり細かい工作の腕が問われます。

 はやく梅雨前線がどっか行ってくれないかな。バファリンの日々が続いてます。お酒飲めないのがいちばん辛いかな?


 さて、いよいよ大嫌いな零戦の風防マスキングです。
 まずはナイフの刃を替えようとしたら、替刃が見当たらない。30分くらい汗だくになって探し回ってようやく見つけた。あーあ。

 刃をすっと指で触ると、あれっ何か赤いものが・・・血やん!! 切れてるぅ!!
 すごいなあ、ちょっと触れただけで切れたよ(汗

 少女マンガだと、ここで「王子様」が出てきて傷口にキスしてくれたりするんだけど、孤独なモデラーは自分で傷口に唾をつけて絆創膏を巻くしかない。ああ~

 左側がファインモールドで右側がハセガワのキャノピー。先にファインのほうをしてみた。
 今の気分? もう二度とやりたくない。
 二個目のほうがきれいにできるかと思いきや、あとでやったハセガワのほうがすでにぐちゃぐちゃの予感。下手だなあ。ファインのほうはまあまあの出来か?

 マスキングシートという便利なものが売ってるらしい。教えてもらったけど、結局は自分でやりました。
 ヒマなので・・・エアコンをきかせた部屋で、一時間くらいかな?

 ところで、「あたしの中でわぁ~マスキングが終わったらぁ~もう完成って感じなんですぅ~」

 などというときに使う「あたしの中では」っての・・・どこよ!! 中ってどこ!?
 女性が使うと、何かイヤラシイ言葉ですね。

 あたしの中でわぁ~、もうぐちゃぐちゃの予感なんですぅ、とかね。官能的制作記。
 などと、すぐに脱線して誤魔化してますが、きっと塗装したら汚いんだろうなあ。見逃してくれよ。

 美人姉妹の妹・ファインモールド1/72 22型は、グラマラスな現代風美女。

 翼端灯はせっかく透明パーツがついているので、ちゃんと装着することにした。
 主翼を切り欠いたときに少し開いてしまった隙間には、プラペーパーなどを挟んで充填して整形してみた。
 セラミックコンパウンドで磨いて・・・まだまだの出来ですが、自分的には満足。

 敵味方識別帯を塗装して、そこにマスキングシートを貼る。
 マスキングシートはデカールをもとに切り抜いた。透明のシートなのでどこに貼ってるか見えにくいけど・・・

 左右を同じように貼るのがけっこう難しい。
 室温30度、汗が流れてゆく。

 それにしても、なんでこんなに一生懸命プラモ作ってるかというと、実は七月のなかばから二か月ほど、資格取得のため講習を受けにいかなくちゃならない。たぶん、九月のなかばまでほとんどプラモは作れないと思う・・・毎日だからね。それどころか体力がもつか不安。
 八月の展示会も行けなくなるから寂しい。

 それまで、できるだけ作っておきたい。そんな思いで頑張ってたら、何かまた左親指にいやな痛みが。腱鞘炎が再発しそう。気をつけねば。

 

 

 ここの所涼しいせいで、どんどん進んでいます。

 もう人生最後の零戦にするとか言って、舌の根も乾かぬうちにまたキット買って・・・と、ある人から指摘されましたが(汗)、ま、いいではないですか。臨機応変。

 ハセガワのキットがすぐに届いたので、早速開けて作っています。
 パーツが少ないということは、確かに組み立ては速いんだなあ。当然だけど。
 もちろん計器盤のデカールは一枚につながっていて、あっというまに貼れます。この手間だって馬鹿にならない。

 二機目のシートベルトはあっというまに取り付けてしまった。やはり馴れですね。
 座席の穴は、上の七個だけ開けた。

 えっもう・・・!? というくらい速いでしょ?

 ハセガワのキットも合いはいいので、どんどん組み立てられます。
 胴体と翼の間が少し開いてるので、上反角で誤魔化す。
 あと、裏側の主翼と胴体の間も少し隙間が空いたので、プラバンやプラペーパーなどを挟み込んで埋めた。

 機首というか、エンジン後方にプラバンを貼りつけているのは何かというと・・・

 これなんです。ファインモールドのキットは再現されている。こないだ作ったタミヤも再現されていた。

 あちこち、少し違う部分があるけど、ファインモールドのキットを見ながらハセガワのキットを修正するのも面白くないので、基本的にこちらはこちらで作ることにする。それに、どちらが「正しいか」私はよくわかんないので。

 作ってて、ファインのほうはパチッとはまって組み立てる感じ。ハゼカワは少しすり合わせながら。

 こちらは鹿屋の零戦52型。

 ほらね、カウリングの中に何か見えるでしょ?
 エンジンから来る熱を防ぐためなのかなあ。よくわかりません。

 こういうところ、やっぱり実機を見ると気になるんだよねぇ・・・ホホホ。

 あ、手前、頭当ての後方に軽め穴が開いているので、ファインのほうには開けました。
 しかし実機のコクピットはやはりものすごくゴチャゴチャしてるなぁ~まるでファインモールドのキットみたい。

 同じく零戦。

 方向舵の下側がすごく隙間開いてる。
 下手くそな人が切り欠いたみたいな感じ。私の工作みたい。

 とはいえ、これは復元機だから、本物はどうだったかわかんないけど・・・

 この状態で置いていても、ファインモールドのほうは安定してるけど、ハセガワのはどっちかに傾いてしまう。

 胴体下がすごく膨らんでいるからなんだよね。うふん。

 羽布表現っていうのかな、左がハセガワで右がファインモールドですが、それぞれ雰囲気が全然違う。

 ちなみに、ハセガワは全身飴色、ファインモールドは飴色の上に緑色の下手くそっぽい塗装を熊野筆でやってみようかなと考えています。
 飴色なんて誰が言ったか知らないけれど、日本人の感性は罪作り。青竹色もそうだけど。
 そんな文学的表現をしたばっかりに、いまだに飴色ってどんな色かよくわかんないなんて・・・ロマンがあっていいですね。

 何もかもわかっちゃうと面白くない。こういうのじゃないか、イヤ違うこっちだ、って、ああだこうだ言えるのがいいよ。
 70年代くらいまでは資料も少なくて、零戦の色に限らずわからないことが多かったらしいけど、今はずいぶん色々わかってるから、ありがたい反面、誰かに指摘されるんじゃないかとビクビクしながら作らないといけないもんね。

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