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 実は、私の住んでいる町にも、D51(デコイチ)はひっそりと保存されている。

 久大線日田駅の裏手、線路ぞいの駐車場となっている場所の一角に置置かれている。数年前までは近くの公園に置かれていた。その頃は確か触り放題乗り放題だった。息子が幼いころに遊びに行った覚えがある。
 その後、公園がなくなり、こちらに引っ越したわけだが、久大線の線路脇なのでデコイチにとってはこちらのほうが安息の地といえるかもしれない。

 ときどき、ここに来て眺めている。たいてい誰もいないので、D51とふたりっきりの時間を過ごすことができる。

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 左側の木造の建物は鉄道構内の建物。

 写真を撮っているとき、ちょうど下り「ゆふ」が到着した。
 今は動かぬ蒸気機関車のすぐ近くを現役の汽車が通り過ぎる。

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 中にはいって触ってみたいけど、柵があるので入れない。
 でも、柵がないとイタズラをする不届きものが必ずいるので、これでいいのだ。

 D51 176  製造所 日立製作所笠戸工場(山口県下松市)、 製造年月日 昭和14年1月19日

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 ベンチに座って全体を眺める。D51と私。二人きり(D51とその向こう側のビルの間に久大線の線路がある)

 “alone together”・・・一緒に孤独、ってどういうことかと思ってたけど、「二人きり」っていう意味なんだね!!
 先日ネットで読んだけど、日本語の「孤独」というのと「alone」はちょっと違うらしい。寂しい孤独じゃなくて、「ほかの場所から離れている」、積極的に離れている感じ。
 日本語の「孤独」は「Lonely」のほうに近いという。

 日本語には寂しくない孤独っていう言葉がない気がする。日本で孤独というと、さみしくて悲しい響きがある。
 それにしても、こんな鉄のカタマリのそばにいて心が安らぐって、我ながら不思議だ。昔もわりと乗り物は好きだったけど、模型を作るようになって一層こういった乗り物に興味ができて、自分にとって安らぐ場所になったというのはうれしい。

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 古めかしい信号機らしきものも、一緒に保存されている。こういう構造物はどこかシュールで好き。

酒2
 昨日は職場のミーティングで遅くなったのでできなかった、祝杯をあげた。

 「はやぶさ2」に乾杯したんだよ。昨日は、九時過ぎにネット中継で記者会見も見た。涙が出た。はやぶさ2のミッションを成功させた日本の技術者たちに乾杯。
 そして、もちろん、D51にもね。同じく日本の技術に。難しいことはわからないけど、たぶん戦艦大和やD51を作った技術とスピリットが、はやぶさにも受け継がれているに違いないから。
 テレビやネットの画像を見ながら、吉村昭先生の描いた「戦艦武蔵」や「零式戦闘機」を思い出していた。日本人の誇り。

 ひさびさに飲むワインがとっても美味しい(ようやく香りがわかるようになってきたのでお酒解禁)