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 主催者HICの花村さん作品。ハセガワ1/72 屠龍「第四戦隊」

 花村さんは普段AFVを作っていて、飛行機を作るのはなんと初体験!! しかも20代!! で、このクオリティ!!
 さすがに意地悪な飛行機モデラー連中も、大絶賛。いやほんと、初めてでこんなに作れるんだったら、ワシらの立場ねぇよ・・・っていうか、屠龍作ってみたくなった(ハセガワだし)。ええい若造、挑戦なら受けてたつわい!!(とか言って大丈夫か私
 日の丸はマスキング塗装、0.3ミリのハンドピースで細吹きだそうです。初めてとは思えん。上手いです。
 ちなみに、右の翼端灯も赤になっていて、そんなのは飛行機を初めて作った人らしい小さな勘違いでカワイイくらいでしたが、オッサン共は鬼の首を取ったようにうれしそうだったのが、哀れといえば哀れでした。老兵は黙って模型作れや!! しかしまあ、男共の世界は、こうやって若い人は「イジられて」一人前に育っていくのでしょうね。よくわからんけど。

 この機体は、福岡県大刀洗飛行場で開隊した本土防空の第四戦隊のものです。
 なぜ屠龍を?とお聞きしますと、大刀洗平和記念館で屠龍とB29の展示を見て、作りたくなったということでした。大刀洗は私も三回ほど訪れてますが、花村さんもすでに何度も行かれてるとのこと。気が合うなあ。
 やはりこういった資料館は大事だなと思いました。若い人は昔の飛行機になんか興味はないだろう、などと思うのは私らの勝手な決めつけで、すぐれた資料や展示などが揃っていれば、必ず若い人の心にも響くのです。

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 宮崎から来てくれた、たかさん作品。マッチボックス1/32 D.H.82A「ブルックランズ航空会社」

 イギリスの「赤とんぼ」と言われるような機体だそうです。大戦間の民間航空仕様です。
 古いキットなので、ディテールアップがすごいと思います。
 計器盤はレジンですかね?へぇーよくできてる、と思ったら、当然スクラッチでした(汗 

 今回は、奥様との旅行の途中という貴重な時間を割いて、会場に立ち寄ってくれたので、ありがたかったです。
 展示会に行く合法的な理由として、家族旅行ってのもありですよ。滞在時間は短くなりますが、実際に展示会を見てもらえば、趣味への理解が深まるかもしれません。「へえぇ~ウチの亭主の作ってる小汚いプラモって、あんなに皆がワイワイ言うほどのもんなのねぇ」などと、見直してくれるかも。

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 同作品。
 ハッチなどはアルミ缶(缶ビール)を焼きなまして作っているそうです。なるほど、そうか!!焼きなますんだな!! おおー。それは気が付かなかった。
 ただし、焼きすぎるとボロボロになるので、そのへんの手加減は、実際にやってみて試行錯誤してみてください、ということでした。ま、材料費タダだしね。忘れずに、チャレンジしてみたい。

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 銀翼会の毛利さん作品。エアフィックス1/72 アブロ ランカスター。B Mk.II
 先日の銀翼会でも拝見したけど、今回はまたじっくり見せてもらいました。

 美しいリベットが全体に整然と打ってあり(カルコで打つそうです)、心が洗われるようです。写真ではわからなくて申し訳ない。もうね、ほんと、72の好きな人は、こういった先輩方の作品はぜひ肉眼で見てほしいと思う。よだれ出ますよ。いや美しさに卒倒するかも。
 また、毛利さんは基本的に動翼は全部可動、プロペラはフーと吹くとくるくる回るようにしてあります。

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 同じく、エアフィックス1/72 ヴッカース ウェリントン Mk.1C

 この、窓のところのバッテン印みたいのが一体なんだろうと思ってたんですが、これは内部構造が見えてるんだそうです。つまり、竹籠みたいに編んであるそうです。イギリスでは、徴用された?オバチャン達が竹籠を編むように編んだそうで・・・

 ええーっ!! マジ~っ!? ウソに決まってるやろ、その話。絶対私、担がれてるわ。飛行機のこと知らんから、バカにして・・・と思ったら、本当らしい。だから、この飛行機はリベットがないのだそうです。

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 こんな感じに、編んだ雰囲気が再現されてる。
 普通、大戦中の飛行機の動翼は羽布張りだけど、これは逆に動翼も金属。不思議ですねえ。

 そんな不思議な話を聞いていたら、イギリス機も面白いかもと、思わずよろめきそうになった。

 一日目の展示会が終わったあと、足がだるかったので、誰か送ってくれないかな・・と思ったら、毛利さんが気軽に申し出てくれた。いやはや、毛利さんをこき使うなんて、日本に368人はいると言われる弟子の方々から殺されるかもしれませんね。

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 熊本トムキャッツのoniさん作品。ドラウイングス 1/48 ドボワチンD.510

 いろいろな銀を塗り分けており、とても美しい作品。スピナとプロペラ部分は、特に高価な塗料です・・・いや値段とともかく、本当に金属のような輝き。
 普段日本機ばかり作られるのに、こんなのをなぜ作ったのですかとお聞きしますと「日の丸だから」と明快なお答え。

 簡易インジェクションなので、製作はかなり大変だそうです(カタチにするのが大変)
 作品見ると、何かすごくきれいなキットあるんじゃないかと錯覚しちゃうけどね。いやはや。

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 日田HICのシェフ・ヤナピー作品。ハセガワ1/72 銀河。

 ヤナピーは元シェフという経歴を生かし、もう十年以上、フィールドキッチンを担当しています。本物のフィールドキッチンだよ。炊き出し。これがこの展示会の売り物でもあります。
 今回は場所も狭く、豚汁におにぎりという、簡単なものでしたが、柚子胡椒を添えて、やっぱ美味しい。身も心も温かくなったよ。

 ヤナピー旧作ですが、これ最初気が付かなかったんだけど、誰かが「リベット打ってる、すげえ」と言われてよく見たら、リベット打ってた(汗 悲しいほどに美しい機体ですね。高性能っぽく見えるけど、実際は稼働率最悪だったとか?

 実は、私が最近使ってるリベットルーラーはヤナピーのお手製のもので、本人に見せたら「えっ、俺が作ったの? いやもう忘れた・・・」と、すでに忘却の彼方にあるようでした。でも見てるうちに「これ時計の歯車なんだよね」とのこと。そっかー。

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 大分我流会の植木さん作品。タミヤ1/100 B-52

 珍しいキットということで目をひきました。一瞬何分の一なんだろうと考え込んでしまう大きさ。72より少しだけ小さい。これくらい大きな機体でも、1/100ならずいぶん小さくなりますね。

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 我流会のあべさん作品。モーブ1/48 カーチス キティホークIII

 マーキングはすべて塗装、きれいに作ってます。キャノピーの透明感とか目をひきます。
 あべさんは、ほかにもウォーホークの作品いくつも出していて、よっぽどウォーホークが好きなのね。私も好きですが。主役じゃないんだけど、いい味だしてる脇役って感じで、いいんだよなあ。そしてシャークマウスのために生まれてきたような機体ですね。

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 もしくはスーさんの、1/48タミヤ、だと思うコルセア。

 以前もアップしたことあるけど、今回も。旧作も、以前見たことのない人もいるでしょうから、持ってきてくださいと頼んだんです。
 汚しが控え目な感じでいいですよね、これがリアルなのかも。
 スーさんもなかなか完成しないんだよなあ。新作はやく見せてもらいたいんだけど。今もコルセアのニコイチか何かやってるみたいで、私にはサッパリわかりませんでしたが、来年に期待しましょう。

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 ハセガワ1/72 九六陸攻 こっそり工房さん

 もうひとつのイタリア仕様は、いかにもそれらしく、騙された人がけっこういました。ただ、私はやはり本物のこちらが好き。スケールモデラーだもの。美しいカタチですね。
 ニッポン人は、明治になってこんなもんいきなりよく作れたよねえ、と誰かが言ってましたが、確かにそうだよね。ほんと鎖国して馬と籠で移動してたような人達が、明治になって急に文明開化でロシアと戦争もするわ、飛行機作りだすわ・・・すごいですよね。

おじさん達1

 目の前の美女には全く気も付かず、模型を見ているおじさん達。心から、幸せそうなオーラが漂ってくる。知らない人から見たら、こんなもん見て何が楽しいのか!? と思うやろうね。

 二日間、狭い部屋にぎっしり埋め尽くしたテーブルの上に模型を並べて、そのそばで時の過ぎるのも忘れ模型や飛行機の話をしてる・・・こんなにもカネがかからず、こんなにも幸せな場所って、ほかにどこにある!?