つれづれプラモ製作記

自称飛行機モデラー・きららのプラモ製作とプラモの活動記録

校庭の桜(サクラサクその8)

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 久しぶりに小学校の同級会に出席しようと重い腰をあげたのは、あの桜の木に会いたいと思ったからだった。母校は茨城県土浦の真鍋小学校。樹齢百年を超える桜の老木が有名で、最近では観光客が押し掛けるという。嘴頼(しらい)が小学生だったのはもう60年以上も前のことだったが・・・あれから、長い時間を耐え、見事に咲かせた花を一目みたいと思ったのだ。

 同級会の夜は楽しく過ぎ、次の日、嘴頼は電車の時間までにもう一度桜を見ようと、校庭に一人で行ってみた。

 桜の写真を撮りながら思い出に浸っていると
 「あら、もしかしてシライさんじゃありませんか」落ち着いた女性の声に呼び止められた。
 グレーのブラウスに黒いスラックスという地味な服装に、ピンク色のスカーフが華やいで、きれいに整えたショートヘアは染めずにシックなグレーなのがまた上品で、こんな田舎にそぐわない。卵型の顔は、恐らく嘴頼と同年代だろうが色白の肌に薄化粧をして静かにほほ笑む面差しはどこか懐かしく・・・
 「私、佳乃(よしの)ですよ、覚えてらっしゃらないでしょうね、五年生のとき転校してきたんですけど」
 「ああ・・・それでまたすぐに転校してっちゃったんですね、覚えてますよ」
 「あら、覚えてくれてたんですね、うれしい」

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 夏休みが終わると彼女はもういなかった。心にぽっかり穴が開いたような気がした。いま思うと、ほのかな初恋だったのかもしれない。
 「シライ君は、余所者の私に親切にしてくださったんです・・・私がこの桜の下でポツンと立ってたら、声を掛けてくれました」
 「そうでしたっけ」
 そういえばそんなこともあったような気もする。
 「早いもんですね、あれからもう60年以上たったなんて」嘴頼がしばらく桜の木を見つめて思い出にふけっていると、

 「おお、嘴頼もここに来てたか」
 と、快活な大声が聞こえた。昨晩同級会に来ていた青島だった。
 「おれも帰る前にもう一度見たいと思ってな」そうだ、青島に彼女を紹介せねば。
 嘴頼がそう思って振り返ると、誰もいない。「あれ、つい今までここに佳乃さんがいたんだが」
 「ん? 誰だ? ヨシノ?」
 「そうだよ、同級生の」
 「そんなヤツいたか? 記憶にないな」
 「ほら、六年の夏休み前に転校して行ってしまった・・・」

 青島は、しきりと首をかしげるのだった。
 「ヨシノって、まさか染井ヨシノとかいうんじゃあるまいな? お前昨晩ちょっと飲み過ぎただろう」そういって、青島は大笑いしながら、シライの肩をたたいた。

 まるで消えてしまったように、彼女の姿はなくなっていた。

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 青島と別れ、嘴頼は駅に向かって歩き始めた。

 タイムカプセルのような、そんな空間が一瞬存在したのかもしれない。校庭にはそんな魔力があるんじゃないか。あの場所で起きたことは、きっと桜だけが知っている。

 (茨城県土浦の真鍋小学校にて。嘴頼さん撮影)

 最後の写真は、成田にアプローチする飛行機だそうです。飛行機モデラーらしくて心憎いですね。
 樹齢百年のソメイヨシノの存在感がすごくて、思わずこんな話を思いつきました、ありきたりではありますが。嘴頼さん、ごめんなさい。

 今年の桜物語、まだまだ続きます。 











戦友の桜(サクラサクその7)

気動車1

 気動車(71歳)は数年前に仕事を引退して、四国の松山で妻と二人静かに暮らしているが、東京の大学に通う孫の瑞穂(19歳)の誘いで、東京見物に訪れた。妻の「靖国に参詣したい」という願いもあり・・・妻と瑞穂が不忍池のほとりのベンチで休憩している間、気動車は写真を撮りに歩き回る。

 気動車の妻(71歳)「あー、ほんと桜きれいやねぇ。それに靖国神社行けて、ほんとに良かったわ、ありがとうね」
 瑞穂「そう? よかったよねーひいじいちゃんの遺言だったんでしょ?」
 気動車の妻「そうなんよ。長い間心に引っかかっててね。お父さんも来たがってたけど病気で結局来れなかったものね・・・戦友に申し訳が立たない、って」
 瑞穂「せんゆう?」
 気動車の妻「戦う友って書いて戦友ね」
 瑞穂「ひいじいちゃんて、兵隊だったの?」
 気動車の妻「そうよ、鹿児島の鹿屋って所にいたんだって」
 瑞穂「えっそうなんだ、さっき靖国神社にあったよね零戦って。パイロットだったの?」
 気動車の妻「飛行機の整備をしてたんよ、たぶん零戦じゃないかね。」
 瑞穂「へえー、格好いいじゃん」
 気動車の妻「私たち子供に戦争の話は一度もしたことなかったけどね、戦友がいっぱい亡くなったんだろうね・・・お前くらいの年齢でさ、友達がたくさん死んでしまうって想像できる?」
 瑞穂「できないよ・・・そんなの絶対無理・・・・ところで、おじいちゃん、なかなか帰ってこないね。もしかしてまた迷子になったんじゃない?電話してみるね」
 気動車の妻「あーあ、ほんとにねぇ、どこウロウロしてるんだか。いい歳して落ち着きがないんだから」

 頬をなでる風はすっかり春めいて、都会の喧騒を忘れて時の止まったような池のほとり。
 (東京、上野不忍池、気動車さん撮影)

気動車2


 今回も勝手な物語ですみません。実在の人物とは関係ありません(気動車さんはもっと若いです)。
 こちらは日本橋だそうです。ぬけるような青空。
 そんなわけで、先日から歌舞伎町、皇居北・・・上野、日本橋。東京観光させてもらいました。

 戦争では亡くなった人も無念だと思いますが、戦後生き残った人、そしてその家族も重い荷を背負って生きることになったと思います。
 桜を見て戦争に思いをはせる世代って、いつまでなんだろう。などと、ふと思う平成の終わりの桜。いやぁ~平和ですね。

 今年の桜物語はまだまだ続きます。

はみ出ちゃった(パンダモデル1/35MRAP製作記)

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 1/35 オシュコシュ M-ATV MRAP、ついにタイヤを装着!! おおよそ接地!! わかっちゃいたけど向きがすべてガタガタ!! とどめに前輪がはみ出してる!! ショック。

 なんでかなあ。足回りは超複雑なため、とにかく今からなんとかすることは不可能。
 しかし、ネットで画像見てみると、ほかの人の作例も少しタイヤがはみ出してる気がする。

 ま、いいか←おい!! 車ってタイヤがはみ出してるのって、アリなのかな、アリならいいな。 
 もしかして、キットのタイヤが分厚過ぎるのかもしれない・・・と思うことにしよう。
 何はともあれ、クルマらしいカタチになってきた。

26

 車体の黄色っぽい色なんだけど、どうもいまいち違う気がする・・・ネット上の写真見ると、いろんな色合いがある。たぶん日に焼けると黄色からベージュ系に変化するんじゃないかと推測してる。

 ずーっと見てるとだんだんわけがわかんなくなってくるので、また明日考えよう。

酒6

 一昨日は別府にまた出かけて昨日帰ってきたところ。月に何度か父のところに行っている。話はほとんどできないんだけど、すごくうれしそうな顔をするので、どうしても行かないわけにいかない。でも親孝行するならほんとは元気な間にしなくちゃいけなかった。後悔と無力感と寂しさでいっぱいになりながら、帰りの汽車に乗り込む。

 昼過ぎの特急「ゆふ」にて。大分駅で「焼き鳥弁当」を購入してビールを飲みながら、車窓の花見。ある意味すごい贅沢。それにしても昼間飲むビールって美味しいね。

 ちなみに、前後左右誰も座ってないので、誰はばかることなくビールが飲める。都会に住んでる人には想像もつかないだろうけど、久大線なんて、盆とかGWみたいな特別に混雑する時期以外はいつもガラガラなんだよ。まぁJR九州には特急走らせてくれてるだけで感謝してる。

 

夕暮れの桜(サクラサクその6)

しまだ1

 春は別れと出会いの季節、実は人間にとっては意外と寂しい季節でもあります。

 私は子供時代、父の転勤で日本の色んな場所で過ごしましたが、引っ越しのたびに転校するのがすごく嫌でした。別れる寂しさもありますが、新しい学校に行くときのあの緊張感。すでに友達関係ができあがってる(たいていの子は生まれたときからその町で暮らしている)ところに入っていく辛さ。誰も知っている人がいないという孤立感。

 しかし最近、妹と会ったときにその話をしてみたら、「えーっそんなこと思ってたの? 私は新しい学校に行くのは楽しみでワクワクしたよ」とあっさり言われたではありませんか。

 この歳になってこんなこと言うのもバカみたいかもしれないけど、新しい環境に入っていくことが楽しいと感じる人って本当にいるんだ!? と改めて知った瞬間でしたね。多かれ少なかれ、少し苦痛に感じるものだと思ってた。そして、学校にしろ会社にしろ、人の集まる場所(組織)では、新しい環境に馴染みやすい人が絶対に有利だしストレスが少ない。

しまだ2

 「さまざまのこと 思い出す 桜かな」(芭蕉)

 桜にも、日の当たる部分と影になる部分がある。それもまた人生の味わいでしょうか。
 
 (皇居北あたり こっそり工房さん東京出張にて撮影)

 ※桜の写真はまだまだ募集中です。散る桜も良し。写真をお待ちしています。kilala_1962@yahoo.co.jp まで

いつか退役する(パンダモデル1/35MRAP製作記)

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 やはりいくらなんても太すぎるので、もう少し細いランナーで作り直した。二度目なのでより一層うまくできた気がして満足。

 ま、排気管がこういうまっすぐなカタチで良かった。先端に穴を開けた。

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 で、裏側にこんなふうに取り付けるんだよ、面白いでしょ?
 横っちょから排出するという・・・いや~んな構造。

 もちろん、まだ接着はしていません。先に塗装します。

ツーショット

 三年前に作った軽装甲機動車とツーショット。

 もうねー、タミヤのディテールがシャープで、こんなの作ってるのバカバカしくてやってらんねぇ、って感じ。エッチングなんて使ってないのにね、このシャープさはすごい。まあ、パンダモデルなんかと比較したら失礼かもしれないけど。というかまぁ、カタチがシンプルなんだねMRAPは。
 でも実は、軽装甲機動車もタイヤがきちんと設置しないでグラグラしてるのが悔しい。塗装も、もう少しメリハリあったほうが良かったな・・・などと、見てるともう一度作りたくなってくる。モデラーのサガ。

 ご覧の通り、いよいよ基本塗装に突入した。ここまでが長かったよ!! ようやく少し楽しくなってきた。ああー、ここまでが長かった。前戯長すぎ。

酒5

 一昨日の花見のとき、「玖珠の七四式がすべて退役したらしい」と聞いた。2018年度で第八戦車大隊の七四式戦車は退役したらしい。

 というわけで今夜はビール。えっ、七四をダシにしてる? 気のせいです。

 2002年に地元のクラブの連中と玖珠の七四式戦車を見学に行ったことがある。息子はまだ小学生だった。今となっては懐かしい思い出です。あの頃はあの頃で楽しかったなあ。
 先日のイチロー選手の引退もそうだったけど、少しずつ自分たちの時代が終わっていくような寂しさを感じる。今後ずっと、この寂しさと付き合っていかないといけないんだね。それが人生なんだろうね。

 わかっちゃいるけど、やっぱり寂しい。

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