ノモンハン。TMC(徳島モデラーズクラブ)の森男さん作品。
平原を風が吹き渡るような情景。
モンゴルの平原を、椎名誠は「草の海」と書いていたけれど、まさにそんな感じなのだと、ファインモールドの鈴木社長は話していた。
鈴木社長は何度もノモンハンに取材に出かけたことがあり、そういった話も今回聞かせてもらった。
鈴木社長のミニトークショー。話の聞き手は未完成チームのけんけんさん。話を聞きだすのがとても上手い。インタビューの仕方も勉強させてもらった。(くりさん撮影)
「みんなの欲しいものをマーケッティングするのが普通のやり方なんだろうけど、うちはみんなの知らないだろうものを「どーだぁ、これ知らないだろうが!!」って作るんだよ」
それがファインモールドなんだそうです。
まるでロックバンドのボーカリストみたいに観客を煽ってきますね、こっちも血圧上がってくるぜ!!
「(起業した頃の話)ファインモールド立ち上げたとき、もう手元に10万円しかなかった。それでも作りたいものがあったから作った。
そもそも、金貯まったらやろうとか、何々ができたらやろうとか、そういうのではできないんだよ。そのときやらなきゃ絶対できない。まわりは「やめとけ」とかって言うけど、「じゃお前やってみたことあるのか」って。やってみてダメならわかるけど、やったこともないのに「できない」と言うのがわからない。オレはそれくらいであきらめる人間じゃない!!」
「飛行機はね、0.1ミリ変わってもカタチが全然違ってくる。戦車は面が多いからそんなにわからないんだけど。以前実車を取材して計測したがゆえに、長さを読み間違って製品のカタチが違っててあわてて修正した・・・ということがあった」(鈴木社長の話)
金型を修正するというのは、言うのは簡単だけど、場合によっては数百万円もかかることがあり、やはり常にできることではないようです。そういう「あ、しまった」ということは何の世界にもあるんだなあ。
ちなみに皆さんご存じのように、金型を自社で作っているのは国内でバンダイ、タミヤ、ファインモールドだけ、それは確かにすごいと思う。自分のところで作ってるんだぞ、というプライドをありありと感じた。
ノモンハンの取材話を聞きながら昼食。ノモンハンに同行した方も来場しており、写真もたくさん見せてもらった。(フランクザッパさん撮影)
話を聞きながら私、「ノモンハンって・・・九七戦ですね!!」
と叫んだけれど、同席した方々は決して笑ったりせず、「そうですよ、よく知ってますね」と微笑んでいた。その雰囲気がとてもよかった。
同じ趣味を持つっていいことだね。しみじみ。
これはトークショーではなくて私と話しているときに言われたことだったと思うけど
「プラモデルって半分はメーカーが作ってそれをモデラーが完成させる・・・そういう特異性を持ったホビーだよね」
私もつねづね思ってることです。そこから逃れられない。そしてそこが同時に、プラモデルの魅力でもあるんじゃないかなと思う。
鈴木社長「作例の文章に「この部分に1ミリのスキマができる・・・」なんて書いてあると、お前ちゃんと測って書いてるのかと!!(会場爆笑) 1ミリもないだろうが、0.2ミリの間違いだろうがと。0.2ミリでもプラモデルでは大きく見えますよ」
模型雑誌に文章で書かれてしまうと、それはモデラーにとってはスタンダードになってしまう場合もある。
メーカーはいちいち反論できないから、悔しい思いで読むこともあるんだろうな。
まあ、それで一層いい製品を作ろうということもあるかもしれないけど、プラモデル(製品)をどうやって作っているかをよくわからない人間がプラモデル製品についてさもわかったような顔で「これはこうだ」と書いてあると、確かに悔しいだろうね。
プラモをどうやって製品にしているのか、私ももっともっと知りたい。
なかなか難しいけれど、少しずつ理解していきたいと思う。そして知り得たことは、できるだけ伝えていきたい。書いていきたいと思う。
模型メーカーの人の率直な気持ち、正しい情報(とはいえ、あくまでもファインモールドの、ということですが)を今回会場で聞けた人は、とても楽しく有意義だったと思う。
私は残念ながらレコーダーを持っていず、帰りの新幹線の中で想い出しながらメモしたことを基に書いています。
断片的ですみません。
そもそも今回のテーマがファインモールドだというのは、その製品作りの姿勢に意気を感じ応援していきたい・・・ということだったと聞いています。そういう思いがメーカーにも通じると思う。
いい関係ってそういうことですよね。うらやましいな。
ハセガワ1/48 九五式水上偵察機 TMCのP-斎藤さん作品。
銀色がとても美しく、こういうアングルで見ると、もうめっちゃ美人。零戦なんかよりある意味美人なんじゃない?
P-斎藤さん「きららさん、九五式買った?」
うっ、痛いところを突かれたよ!!←買ってない奴
とても作りやすく良いキットだったそうです。P-斎藤さん「これは素晴らしいよ」と、うれしそうな顔
わー、飛行機モデラーがこんなにハセガワのキット褒めてるのは久しぶりに聞いた←おい!!
なんだか自分のことのようにうれしい。
モノグラム1/48 森さん作品
私の大好きなDC-3。
もうひとつのテーマが双発機だったと思う。でも悲しいくらいに双発機に興味のない私・・・ごめんなさい
ただしDC-3だけは違うよ。愛らしくふっくらした、ファニーフェイスを見ると、思わず微笑みたくなる。あなたはとってもチャーミング。
バンダイ 1/12。ストームトルーパーズ。
筆塗りは楽しいね、とコメントに書いてあった。えっこれ筆塗り??
すごいなあ。ストームトルーパーについては実はほとんど知らないんです。スターウォーズだよね? っていうくらい。
でもこの塗装が格好いいしね、格好よければすべて良し、という私ですから。目が引き付けられるの。
私の展示会レポートって、最近キャラものの写真が多いなって思う方いるかもしれませんが、そうですね。なんでかというと、違うジャンルからいろいろ刺激をもらうからかな。見ててすごく興味深いんです。新鮮なんです。面白い技法とかあるし。
飛行機は基本的に好きなんだけど、好きな飛行機とか作風がどうしても固定してしまって、自分の感覚ですごく好きだと思えるものが狭まってる気がする。
作品のご紹介はそんなわけで、これにてお終いです。
未完成チームの半分も紹介出来ていなくてすみません。オールジャンルの展示会でとても楽しかったです。
さて、明日は番外編をお送りします。